おっぱいるーむ

みーん みーん みーん

夏の暑い日に、さっちゃんは、お姉ちゃんになりました。

「お母さん、赤ちゃんが生まれてよかったね。
さっちゃん、一生懸命にお世話するからね。赤ちゃんかわいいね」

さっちゃんは、待ちに待った赤ちゃんが生まれてきたので
うれしくて嬉しくて、しかたがありません。

何度も赤ちゃんの顔を指で突っついたり、
赤ちゃんの甘い香りをくんくんしたりと
忙しそう動き回りました。

「あらあら、頼もしい、お姉ちゃんだこと」

お母さんは優しくつぶやきました。

おぎゃー おぎゃあー おぎゃぁー

「あ、赤ちゃんが泣いているわ。
お世話しないと・・・・」

さっちゃんは、いないいないばあをしたり、
赤ちゃんをよしよししたりしましたが、
まったく泣き止みません。

おぎゃあー おぎゃあー おぎゃあー

次に、さっちゃんは、張り切って
さっちゃんが大好きな、子犬のお人形持ってきました。

でもぜんぜん赤ちゃんは泣き止みません。

おぎゃああー おぎゃああああああー!

さらに、赤ちゃんの足の裏をくすぐってみたけれど
もっともっと赤ちゃんは大きな声でなくだけで、
まったくなきやみません。

さっちゃんが困っていると・・・・

おかあさんがやってきて

「さっちゃん何してるの?
ほら、赤ちゃんがおなかがすいているから
ちょっと、のいて」

お母さんが赤ちゃんをフワッと抱き上げると
今まであんなに泣いていた赤ちゃんが、
ピタリと泣き止みました。

「お母さんの手は魔法の手」
さっちゃんは、ポツリとつぶやきました。<>「ねーねーお母さん、一緒にあそぼー」

「だめ、今、赤ちゃんに、
おっぱいをあげているから」

「おっぱいが終わったら遊んでよ」

「おうちのご飯を作らないとダメだからだめ!
さっちゃん、おともだちとあそんでおいでよ」

「いやだ。おかあさんがいい」

「お願い、あっちに言って」

さっちゃんは、ほっぺをふくらませて、お外に行きました。

「赤ちゃんが生まれてから、
お母さんは・・・・
赤ちゃん、赤ちゃんばーかっり」

さっちゃんはなんだか悲しくなってきました。

「お母さんは、さっちゃんのことより、
赤ちゃんのほうが大事なんだ。きっと」

そう思うと涙がポツリと出ました。

でもさっちゃん強い子です。
お姉ちゃんなんだよ!と、自分に言い聞かせて
涙を手の甲で拭くと、顔を上げました。

「ただいま」

赤ちゃんはすやすやと眠っていました。

「赤ちゃん、ねんねしたんだ。
お母さん、お母さん」

「大きな声を出さないでちょうだい、
赤ちゃんが起きちゃうでしょう」

「おかあさん、だっこー」

お母さんはさっちゃんをぎゅうっとだっこしてくれました。

さっちゃんはなんだか、ほっとしました。

おぎゃーおぎゃー

「お母さん、赤ちゃんが、おなかがすいたと
泣いてるよ。はやくおっぱいあげて!
あかちゃんがかわいそう」

さっちゃんはなぜか赤ちゃんと一緒に泣きたくなりました。

「はい、はい。今行きますよ。
どうしたのさっちゃん、なかないで。」

お母さんは、さっちゃんの頭をなでて、
赤ちゃんにおっぱいをあげ始めました。

ちゅ、ちゅ、ちゅ、

赤ちゃんはリズムよくお母さんのおっぱいを飲んでいます。
さっちゃんは優しい目で赤ちゃんを見つめました。

「お母さんのおっぱいの味は、どんな味?」

さっちゃんは一生懸命に思い出そうとしましたが、
なかなか思い出すことができません。

「右のおっぱいがみかんで、
左のおっぱいがりんご。
ううん、ばななかな・・・・」

「おなかの中に入るときっと、
ミックスジュースの味になるんだわ。
いいなー赤ちゃん私も飲みたーい」

おっぱいの味を想像していると
さっちゃんは、だんだん眠たくなってきました。

「いらっしゃいませー!
ようこそ! おっぱいルームへ」

ロボットのようなこえが聞こえたので、
さっちゃんは、ハッとしました。

「ここはどこ?」

辺りをよく見回しましたが、なんだか暗くてよく見えません。

お部屋のかべや、天井から
何かがぶら下がっているようでした。

そのときぱっと部屋が明るくなって、
さっき聞こえた声と同じ声で、

「ココは、おっぱいルームですよ~♪」

さっちゃんは、声のするほうを探して、
辺りをきょろきょろと見回しました。

すると、キラキラと輝く、
不思議なパソコンが1台、
そこにはありました。

パソコンをこわごわ、さっちゃんが見つめると

「さっちゃん、いらっしゃ~い♪
こわがらんといてや。大丈夫やって。
わしの名前はおっぱい君です!」

「まあ、気楽に、おっぱい君て呼んでや!
このおっぱいルームの管理人やでぇ~♪
まあ、そういっても、滅多に人こんけどな。

「そやから、ごっつぅ、ひまやねん。
さっちゃん、来てくれて、まいどおおきに。
まあそんなに驚かないで。大丈夫やで。」

さっちゃんは、口をポカ~ンとあけたたまま
パソコンのおっぱい君を見つめました。

「おっぱいルームって何?」

「おっぱいルーム言うたらやなあ、
まあ平たくゆうたら、色んなおっぱいが
飲めるおっぱいのバーみたいな感じやなぁ」

「おっぱいは、赤ちゃんのもんだけとちゃいます
からなあ。はははは・・・・」

おっぱい君は、流暢な大阪弁で答えました。

さっちゃんは、まだ、何が起こったのかが
わからずに小さい声で言いました

「いろんな、おっぱい?」

「そうですわ。さっちゃん、
わしのここにメニューがあんねん。
飲みたいおっぱいがあったらやな。
そこんとこチョコっと、クリックしてくれるか?
ためしにやな、牛さんのおっぱいとか・・。
ちょっと、それ、いっとこか」

そういって、おっぱい君から、カッチャと言う音が聞こえると・・・
お部屋が暗くなって、どこからか怪しいおんがくがきこえてきて・・・。

おっぱい~&#9835; パイパイ~♪
おっぱい&#9836; ぱいぱい&#9835; おっぱい♪ ぱぱぱい&#9835;

低い重低音のビートがさっちゃんの体に響きました。

すると、部屋が、パっと明るくなって、
目の前にドアが出てきました。

お部屋の中を見回すと、なんといろんな形や、
色、動物も人のさまざまなおっぱいが、
所狭しと並んでいます。

さっき、何かがぶら下がっていると感じたのは、
なんとおっぱいだったのです!!

優しい、甘い香りでおっぱいルームはあふれていました。

なんと!ドアにもおっぱいが!

「ちょっとのぞいてみて」

おっぱい君が言うので、さっちゃんは、
こわごわとそうっとドアを開けました。

するとそこには、
牛さんのお母さんのおっぱいが・・・

「飲んでみる、っていうか、これ牛乳やん!
つっこんでや。ごめんごめん・・・」

「さっきから、驚かせてばっかりやな~。
ほな、そろそろ本題や!」

「さっちゃんの注文のおっぱいは、何ですか?
大きいのが好みかな?それともやな・・・」

さっちゃんは、えっ!という顔をして
すぐに恥ずかしそうにうつむいて答えました。

「お母さんのおっぱいがいい」

「え?さっちゃんのおかあさんのおっぱい?
ちょっとまって~や・・・。
今探すから。あったわ!ほないくでぇ」

おっぱい君は、ちょっと戸惑っているようでしたが、
カチャというクリックした音が聞こえると、
またあたりが暗くなって・・・・

おっぱい&#9835; パイパイ♪
おっぱい&#9836; ぱいぱい&#9835;
おっぱい&#9836; ぱいぱい&#9835;

ビートが体を揺さぶりました。

音楽が鳴り止むとドアが出てきて、
さっちゃんは、今度は怖がらずに
思い切って開けました。

「完全個室やから、誰も邪魔しないよ。
さぁ好きなだけ飲んだってぇな・・・」

さっちゃんには、おっぱい君の声が、
よく聞こえてないようですが・・・・

さっちゃんは、部屋の中にドンドン入っていきました。

すると、そこには、見たことがある人が・・・

「あ、お母さん」

さっちゃんは飛びつくと、お母さんの腕に包まれて
抱っこをしてもらいました。

さっちゃんは、辺りをきょろきょろと見回して、
それから、おいしくおっぱいを飲みました。

さっちゃんは、とても幸せでした。
赤ちゃんになったように、お母さんに甘えました。

ドンドンと、おっぱいを飲んでいると
さっちゃんのからだが風船のように膨らんできました。

「だめだ。もう飲めない。おなかがはちきれるよ」

さっちゃんがあわてていると・・・。

「さっちゃん、よくねてたわね~
もうすぐご飯よ~」

優しいお母さんの声がしました。

さっちゃんは、思わず、自分のおなかをさすりました。
お口の中には、なんだか甘い味が、ほのかに残っているようでした。

「え?夢なの?」
さっちゃんは、わけがわからないと言う顔をしていると、

「さっちゃん、何の夢を見ていたの?
お口を一生懸命に動かしていたわよ。フフフ」

お母さんは笑っていいました。

さっちゃんは、思わず夢のことを話そうと思いましたが、
ハっとして、ちょっとお姉さんの顔になり、

「秘密よ。秘密」
と照れくさそうにいいました。

「なあんだ。おしえてくれないの。どうしても」

「秘密、秘密さっちゃんだけの、秘密」

さっちゃんはへへへと笑いました。

おしまい

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